Q2
「国連軍」とは、どういうものでしょうか?。そして「国連軍」はよく機能しないといわれるのですが何故機能しないでしょうか?。「国連軍」は、湾岸戦争時の「多国籍軍」とどのように違うのでしょうか?。
国連は、第2次大戦後、国際の平和と安全を維持するために集団安全保障構想を採用しました。
その特徴は、
@安全保障理事会による加盟国の武力行使の一元的管理
A制裁手段としての軍事的手段の重視及び組織化
にあります。
このAの手段として想定されたのが「国連軍」です。この国連憲章上の国連軍の特徴は、
@加盟国に対する他国の侵略行為に対し軍事的制裁を加えることを基本任務とする
A「安保理は、――必要な軍事的措置を取ることができる」という憲章第42条を武力行使の根拠とする
B安保理と各加盟国が締結した「特別協定」に基づき提供される兵力で構成される
C「軍事参謀委員会」が安保理の下に戦略的責任を取り、総司令官はその助言を得て安保理が任命する
等でありました。
その後、1946年2月から軍事参謀委員会において国連の兵力使用計画の作成作業が進められ、安保理に中間報告が提出されました。5大国の提供する兵力を中心とした国連軍の編成という大枠では合意しましたが、兵力の規模、各国の兵力分担、国連軍の駐留範囲などで、意見が対立し、審議が行き詰まり、特別協定の締結は不可能になりました。その後、国連の安全保障体制は、常任理事国の拒否権行使、特別協定の未締結、加盟国の自衛権行使などで充分に機能せず、冷戦にからむ事態に相俟って国連の安全保障機能の限界を露呈しました。
これに対して、1950年、総会は、国連の強制措置を5大国の意志に反して発動することを可能にしようとして「平和のための結集決議」をしましたが、国連軍の待機軍制度に対して、大部分の加盟国は自らの国益に反して使用されることを恐れ消極的な態度を取ったため国連軍の創設の試みは断念されました。
これまでに国連に容認された軍事的強制措置は、「朝鮮国連軍」、「多国籍軍」、「一部のPKO」であります。朝鮮国連軍は、指揮統制が安保理でなく米軍であり、多国籍軍は、安保理決議で「必要なあらゆる措置」を容認されているものの憲章上の条文があいまいで「国連軍」とは異なるといえます。PKOは、国連軍が機能しない代替として始まったものであり、任務や武力行使の根拠という点で「国連軍」とは異なっています。
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