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1999年12月
法と任務意識
 自衛隊で契約を行う前に建物を業者に建てさせてしまっていたことが会計検査院で指摘されたとの報道があった。行政官僚の目から見ると考えられない事例である。行政上の行為も法に決められた手続きを取ることが必須であることは、常識である。しかも最近特に業者選定においては、出来るだけ競走入札とすべきことが強調されているのであるから、その手続きも当然ながら取られていないわけで、何をしているのかということになる。
 自衛隊は法の遵守に対して、それほど無関心なのであろうか。或いは怠慢によるものであろうか。私はそうは思わない。自衛隊に特有の事情があるからではないかと思うのである。
 自衛隊では任務意識ということが強く言われている。恐らく教育でもそれが強調されていることであろう。任務が与えられたら、与えられたとうり必ず遂行する。これは現在の自衛隊を支える最高のモラルであろう。災害支援などで、今日の日本の通常の人なら拒否するような場合でも、隊長の命令の下隊員が黙々と与えられた仕事を行うのは、この任務意識からであろう。自衛隊が活動するのに必要な条件が与えられていなくとも、敢えて黙々と与えられた任務を全うするのは、任務意識に基づくものである。
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