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■■■何故、胡錦涛様との首脳会談が必要なのか■■■
−−−山崎拓代議士や橋本元総理の売国行為−−−
平成18年4月11日

 日中関係を改善させるということで、中国の招請に応じた日中友好七団体訪中団は胡錦涛国家主席から「総理が靖国参拝を中止するなら首脳会談をいつでも開く用意がある」と、言われた。これに対し、団長の橋本元総理は「今の話は率直に受け止め、日本への一つのメッセージとして受け止める」と、応じたそうだ。こうなると訪中は日中関係を改善するのではなく、胡錦涛の要求を宣伝するための場作りのように思える。訪中団が日中友好のつもりで行ったのなら騙されたと同じではないか。

 日中関係は「国交平常化以来、最悪の状態」という人がいる。米国人の中にも、日本の心を理解できず、軽々しく靖国参拝を批判する人が出てきている。しかし、これは実態とは異なる。また一面では参拝反対の中国プロパガンダの成果ともいえる。嘘でも繰り返せば信じられるとは、ヒトラーの言ったことだ。ここで問題なのは、日本と中国との関係が冷え切っているのは小泉首相の靖国参拝のためであって、日本は妥協しなければならないと言う日本の政治家が多いことだ。
 繰り返しになるが、日中関係の実態と内容をもう一度整理してみよう。政冷経熱は中国の態度によるものだが、その実態は何なのか。政冷とは胡錦涛が我が国首相と会おうとしないことだけだ。温首相は
七団体の訪中前、日本との関係改善の三原則として、今年は戦略対話の継続、民間交流の強化、経済貿易関係の発展を揚げた。これは実質的に政冷とは言えないのではなかろうか。

 更に、3月25日「日中財務対話」が行われ、税、財政など幅広い分野で意見交換がなされた。財務省から局長級以上など約30人の幹部が出席した。これは近代財政について理解不足の中国に対する一種の教育サービスと思うが、政冷だったら実行できるものではない。
 また、偽ブランド品の密輸阻止に関し、情報交換の強化を盛り込んだ協定も結ばれた。中国からの偽ブランド品の密輸に苦しめられていたわが国は小康を得ることとなるが、このような政府間の実務協議は政冷のままでは到底実行できるものではない。これも中国にとって日本との関係が如何に大切かを示すものだ。
 これから本当に問題となる政冷は日中中間線のガス田開発だ。先日この問題で訪中した二階経産相に対する回答は中国べったりと言われる二階氏でさえ、「これでは呑めない」と言った。靖国参拝が中止されても、中国はこの問題で海洋法に則った日本の主張を受け入れるとは考えられない。

 経熱の実態はどうか。日本としては政治が口を出す程の問題ではないが、中国にとっては国や政権の浮沈にかかわる問題だ。中国は7%の経済成長ができないと、新たに発生する労働力を吸収できず、暴動発生の可能性が大きいという。また、これまでに入った外資系企業は取れるものは取った上で(マルクス主義の用語では「収奪」が終了し)、すでに見極めをつけ、撤退を始めていると言う専門家もいる。中国は、今や後発として中国進出を始めた日本だけが頼りという。日本は頭を冷やしてその実態を認識すべきだ。見識のない財界有力者が自分の会社のために中国寄りの発言をするのは大問題だ。反日を叫ぶことで辛うじて国内の統一を図っている中国(と韓国)は、首相が靖国参拝を中止しても別の反日スローガンを見つけるだけだ。中国の要人や国民は親兄弟・祖父母達が日本人に苦しめられた記憶から靖国参拝に反対なのだと言うが、これは嘘だ。 
 「党中央が、20数年におよんだ空前絶後の大災難を民衆に忘れさせようとしても、民衆はこれを忘れるものではない。年配の人に聞くがいい。あなたがたのおじいさん、お父さんはどうして死んだかと。その半数はきっとこう答える。『じいさんは3年間も辛い日々を送ったあげくに死んだ。父さんは十年の大動乱で死んだ』と」これは『中国がひた隠す毛沢東の真実』の抜粋である。中国人が苦しめられた記憶は、4千万人以上を殺した毛沢東の共産党支配によるものだと中国人自身が書いている。

 胡錦涛の政治的立場が軍との関係で苦しいから考慮してくれと言われたとの報道もある。胡錦涛がどうなろうとわが国は放置すれば良いことだ。彼等が日本に頼るのは日本が好きだからではなく、日本が利用できるからだ。わが国の善意が中国内政によい影響を与えると考えるのは無駄なことである。中曽根元首相が胡耀邦を助けようとして靖国参拝を止めたあの大失敗を思い出すべきだ。胡耀邦の失脚は近代化と開放に対する長老グループの危惧からである。靖国参拝を取りやめて失脚を止められると思ったのは、中国に対する分析の欠如・判断の誤りをさらけ出すものだった。あまつさえ、靖国問題が格好の攻撃材料たりうることを中国に教えたのだった。このとき以来、「靖国問題」が発生したのだ。こんな考えをもつ彼らを政治家としてどう評価すべきだろうか。

 今回問題なのは、多数の政治家が訪中したこと、特に橋本元総理が訪中団の団長となっていることだ。彼が中国と日本との関係についてどのような考えを持とうと勝手だが、現日本国首相と胡錦涛との間でわが国内問題での確執があるときに、わざわざ訪中すべきではないし、まして団長になるべきではない。中国に対する自己の政治的主張はあくまで国内で主張すべきである。
 元首相ともあろう者が中国に出かけること自体、国益への脅威になると考え及ばなかったのか。国家の主権意識や日本人としての自覚を疑う。

 山崎拓代議士等はポスト小泉の争点が靖国参拝となると強調している。外交上の立場が総裁選の争点となるとしても、個別、具体的問題が取り上げられるのはよほどの場合だろう。特に靖国問題は日本人の宗教心の問題だ。元来神道は教義がなく、他の絶対主義的な宗教と比べるとその実体はあいまいである。生活習慣や習俗の一部といった方が良いかもしれないところもある。心理的にアメリカナイズされた日本人は(そして恐らく明治以降の西欧に学んだ知識人は)靖国問題を心の問題とは考えないようだが、それは間違っている。これを外交問題としてはならないのだ。また、ガス田のように外交問題であっても(これも領土問題で譲れる問題ではないが)、相手の主張に従うべきだとの主張をもって、ポスト小泉の争点とするのは、どういうつもりか。これでは宗主国の鼻息を伺う植民地人と変わらない。

 今、中国との間にはわが国の上海領事館員がスパイを強要され自殺した件で、中国の国際法違反という問題がある。国際間の裏の問題としてこのような話はよくあるが、表に浮上した場合、胡錦涛が小泉首相と会いたいと言っても、日本はこの問題に何らかの解決があるまでは、拒否するのが国家の通常の姿だ。胡錦涛との会談を望むばかりで中国側の違法、不当行為を全く問題としない。そんな親中国の人達の心情はいかなるものか。
 台湾は中国のパンダ贈呈を毅然と断った。報道によると、米国は胡錦涛の訪米の際、中国の希望する国賓待遇とはせず、国内の反中ムードを考慮して、格の低い公式訪問として位置づけることにしたという。わが国も多少はこれらの国を見習ってはどうか。

 小泉首相にしっかりした歴史観や国家観があるかわからないが、靖国問題だけは自民党の親中の長老連中の圧力などはものともせず、頑張ることを期待しているし、後継者も小泉路線を継承する人になって貰わなければならない。

(以上)

虎ノ門戦略研究所理事長   関 肇

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