

■虎ノ門戦略研究所
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■■■中国に迎合する政治家の心はどこにあるのか (1)■■■
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平成17年6月21日
1. 与党幹部発言の怪
与党幹部の多くが小泉首相の靖国参拝を牽制している。彼らの発言聞くと、最近発生した事実の意味も忘れ、中、韓との国際関係を理解せず、日本の国益が忘れられている。事実を理解した上での発言なら、中国の毒饅頭を食っている。新聞の世論調査では、反対が賛成を上回り、反対の理由を「近隣諸国との関係悪化に繋がる」としている。与党幹部の発言も影響しているのだろう。小泉首相の靖国参拝にブレーキが掛かるのが心配で、これまで書いたことと重複もするが、再度書かせて頂たい。私の意見に賛成の方は、首相のホーム・ページなどで参拝賛成の発送お願いする。
例えば、河野衆院議長は五人の首相経験者を招き、「昨今の日中、日韓関係の急速な悪化は見過ごせない。大きな原因の一つに、首相の靖国参拝がある」と述べたという。この発言は事実関係が逆だ。特に昨今の日中関係の急速な悪化は、中国の反日デモが政府のコントロールを離れて暴発し、日本大使館を始め日本人、日本企業に対する暴行、破壊行為にまで進展し、それに対して中国が国際法に基づく謝罪と賠償を行わないことに起因する。中国は国内的理由から靖国参拝がデモの原因だと強弁したに過ぎない。しかも瀋陽での日本領事館主権侵害についても、中国はまだ謝罪をしていない。
河野議長は急速な関係悪化を言うけれども、それは一番表の政治関係だけであって、経済関係も悪化ということではない。呉儀副首相の無礼極まる帰国にしても、その前の経団連、トヨタ等との会談では、お世辞たらたらだったではないか。中国政府が心配するのは、デモの結果、日本の中国進出企業が少なくなることだろう。まさか河野議長は、それを懸念して小泉首相の靖国参拝を止めさせようとしているのではあるまい。現時点の靖国反対は、日本の国連常任理事国入り反対に結びつくものなのだ。
また政府間には実務的には冷静な相互関係がある。例えば、最近犯罪問題についての両国の取決めが報道されたが、実務的問題は双方にとって日々必要なもので、この面では両国関係は決して悪化してはいない(外務省の出番は少ないが)。
言うまでもなく条約は国会による批准を必要とするが、外交は基本的に内閣の専権である。立法府の長が政府の外交姿勢を心配するなら、自ずと方法があろう。それを弁えない衆院議長と元首相達なのだ。これら日本の議会制民主主義とそれを代表する人々を我々国民は、何者と考えたら良いのだろう。
中曽根元首相は、最近の講演で、「個人の信念を貫くことも立派だが、国家全体の利益も大事なポイントだ。参拝を止めるというのも立派な決断だ」と述べたという。もともと靖国参拝問題は中曽根氏の首相時代の判断の誤りに起因しているが、講演の「国家全体の利益」とは何を考えているのだろう。「国家全体の利益」とは、第一に国民の心の在り方ではなかろうか。国民の心の在り方には色々な次元の問題があるが、根本は日本人としての誇りと自信であろう。
政治家にとって、国民の心がどうあるのかが最大の関心事であるはずだが、中曽根元総理にはそんな気持ちはないのだろう。かつて米ソ対立の頃、中曽根首相は米国で「日本は浮沈空母だ」と発言し、私はびっくりしたのを憶えている。確かにソ連に対抗する上で、軍事的に日本はそのような地理的位置にある。しかし、日本人にとって日本は家族、親族、同胞が住み、先祖が眠る祖国である。日本が攻撃され敗北すれば、米国は撤退できるが、我々日本人はそこで死ぬのだ。そんな祖国であっても、米国との取引でどのように戦略判断するかはやむを得ないことだ。しかし、祖国を戦闘艦と言い切る心は政治家としていかがなものか。国家、国民、人間の精神について考えられる人ではない思ったことだ。
心の問題ばかりでない。現在、日本の最大の外交目的が国連安保理常任理事国加入であるとしたら、最大の反対者は、中国、韓国だ。日本が大国になることに絶対反対の両国は、日本が靖国で両国の言うままになったとしても、立場を変えることはあり得ない。両国の力に対して、広く国際関係の中で、どのよう対応しうるかということだ。そのためには両国との関係では、日本はまず毅然とした態度で筋を通すべきなのだ。おかしな妥協はすべきでない。
森元首相はロシア訪問中に国連安保理拡大のための枠組み決議が採択されるまでは、靖国参拝を控えることが望ましいとの考えを示したという。中、韓は日本の安保理理事に基本的に反対なのであって、そのような考えは中、韓に蠢動の余地を与えるだけだ。専門家と称する人々がそのような助言をしているとするなら、政治家の見識として、そのような助言を無視すべきだ。これまでの日中関係でそのような浅知恵が両国関係を損なうことこそあれ、一度として役に立ったことは無いことを思い出すべきだ。
古賀元幹事長は遺族会会長でもある。彼は「一番大切なことは(英霊が)心静かに休まること。近隣諸国を『内政干渉だ。けしからん』というだけで済むのか。それぞれの立場にある人たちの発言は近隣諸国にも気配りは必要だし、思いやりも外交に必要だ」と述べたという。
英霊は祖国の為に戦って亡くなった方々だ。後に続く日本人が、近隣諸国の内政干渉に対して正々堂々と対応すれば、心安らかに休まるのであって、近隣諸国の無体な要求に屈するようでは、自分達の死は何だったのかと思われよう。遺族会会長ではなくて、まるで英霊を否定する者の発言ではないか。
ところで「近隣諸国」とはなにか。「靖国問題」で使われる近隣諸国とは中国と朝鮮半島の国だけである。更に加えるならば、華僑である。ただし台湾は違う。戦前、英、蘭等が植民地支配をする上で直接統治ではなく華僑を使った間接統治を行った。従って、英、蘭等植民国が大東亜戦争で日本に敗退すると、華僑も力を失い、華僑を怨んでいた現地の人々からも叩かれた。その時の日本に対する恨みが今も華僑に残っているのだ。
ちなみに、蘭(オランダ)には根強い反日主義者がいる。その人々は、日本によってインドネシアから追い出された人々だ。彼らは怠惰で安逸で富裕な植民地生活を忘れかね日本を怨んでいる。しかし、彼らは彼らの先輩が植民地の農業生産を換金植物にモノカルチャー化させ、それ以前は豊かな農業国の現地人を餓死させたこともあったことなど些かも反省していない。現地人と植民者の中間にいて、植民者のために働いたのが華僑である。
「近隣諸国」という言い方は、中、朝以外の国も含むような印象を与え、日本に対し悪意のある国々の言い方だ。「気配りは近隣諸国にも必要だ、思いやりも外交には必要だ」というのは、如何にも日本人に受けそうな発言だが、これも基本的におかしい。
まず、国内で通用するものの見方を気質の違う外国人との関係で持ち出すべきでない。これは後にもう一度書く。
さらに、気配りとか思いやりが中、韓の現政権に対して必要なのか。両国共、事実に反する反日教育を学校や社会で行ってきた国である。そして、国連安保理加入問題でも分かるように、わが国の外交目標に反対の立場をとる反友好国である。両国の首脳は、それぞれ内政上問題を抱えている。しかし、そんなことに日本が思いやることは全く必要ない。しかも中国は共産主義国であり、わが国とは国家のあり方、理想が全く違う。
日本が気配りや思いやりを必要とするのは唯一台湾だけだ。台湾は唯一といえる親日国だからだ。台湾に対する気配りや思いやりならわかるが、中、韓に対して何故必要なのか、全くわからない。戦前の侵略や支配は60年も前のことで、日本は敗北の結果それに対する見返りはしている。
世界の歴史は、近年の歴史だけでも、残虐な侵略、支配は数多くあり、その結果成立している国もある。共産中国もチベットを侵略、征服し、百万から百五十万人を虐殺した。
過去は変えられない。将来をどう建設するかであって、日本人がいたずらに罪悪感を持ち続け、外国にその罪悪感を利用されるのはいい加減にした方がいい。
世論調査で近隣諸国との関係悪化を心配される意見が多かったという。靖国参拝で中、韓両国は大騒ぎするだろう。しかし参拝しなければ関係が良くなるかというと、そんなことはない。大騒ぎがあっても日本が困ることは無かろう。経済関係の悪化は、両国が望まぬことだ。中、韓とどう付き合うべきかは、次号「2 反日国との付き合い方」で述べる。
もうひとつ、「近隣諸国」に関連していうなら、拉致問題に関しては中、韓は全く頼りにならないと考えてよい。米国は同情してくれるだろう。しかし拉致問題は、日本自身で取り組むべき問題である。経済制裁等が言われているが、まず人の交流を断つのが効果的だろう。
六カ国協議は、基本的には核開発の問題だ。核ミサイルは射程内ならどこも危険となる。各国は真剣だが、韓国の本心は分からない。むしろ逆かもしれない。北朝鮮の核が韓国に使われるはずがない。南北統一の結果、核が手に入れば韓国にとって利益となる。米国とも取引材料となるし、憎い日本など一撃だ・・・。韓国はこのように思っているのかもしれない。
(次号につづく)
虎ノ門戦略研究所理事長 関 肇
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