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■■中国の非礼に対し在中国日本大使を召還せよ (1)■
-----それが外交の国際常識だ-----

平成17年5月30日
 
 1  中国の呉儀中国副首相は小泉首相との会談を突然キャンセルして帰国した。この格下の副首相との会談は中国側の熱望で用意されたものだったという。こんな非礼が外交上許されるだろうか。しかも反日デモによる被害に対しても、中国はまだ謝罪も賠償もしていない。
 原状回復はすると言っているようだが、問題は中国が国際法違反にどう謝罪するかであって、単に現状が回復されればよいものではない。 米国に対しては勿論、他の諸国に対して中国はかくも国家としてあるまじき儀礼を欠いた行為をするのだろうか。出来るのだろうか。
 日本は外交上断固とした姿勢をとり、在中国日本大使の召還とか、国家としての対抗措置をとるべきなのだ。わが国では日中友好が憲法9条のようになってしまっている。何のための友好なのか。わが国の利益あっての友好ではないか。利益には国家の誇りも含まれる。

 小泉首相は不快感を表明したし、町村外相は副首相の行為を批判した。これだけ正当な発言をした首相、外相は今までいないように思う。その点は進歩だ。しかし政府全体としては、日本の態度は基本的におかしい。
 5月22日武部幹事長が訪中したが、何故こんな時に訪中するのか。たとえ先に予定されていたとしても中止すべきであった。しかもビザなし入国を認めるというお土産さえ持って行ったという。まるで朝貢外交ではないか。ビザなし入国の話が進んでいてもこの際中断すべきである。中国が望む全ての案件は中断すべきなのだ。
 日本政府の基本的態度は、事態の沈静化を図るため中国非難を控え、友好的態度を取っている。「日本が引けば中国も引くだろう」という考えのようだ。しかしこれは基本的に間違っている。

 第一に、「こちらが引けば、相手もこちらの立場を配慮して引くだろう」、というのは、日本国国内だけで通用する人間関係だと弁えるべきだ。こちらが引けば押してくるのが、国際常識だ。原則を重視し、原則を主張するのは子供の態度と言いたがる日本人がいるが、原則重視、原則主張は国際社会の常識なのだ。
 例えば日本人は、礼儀として相手が悪くてもまず失礼という。外国では何があっても「I am sorry」と言ってはならないと言わてれている。「I am sorry」を言ってしまうと、相手に非があっても、こちらが先に謝ったのだから、こちらに非があると主張されてもしかたがない。これが国家間の常識だ。政治家が日本人のメンタリティーで国際関係を見ているのがそもそも大問題なのだ。

 第二に、特に中国に対しては日本の常識が成り立たないと理解しなければならない。中国には「水に落ちた犬は叩け」という言葉がある。中国には、弱いものには強く出るが強いものには引くという、基本的メンタリティーがある。中国四千年、内乱ばかりの国で生まれ、培われてきた生き残りのためのメンタリティーだが、今も厳然として生きている。
 武部幹事長は日本記者クラブで会見して、中国の靖国参拝中止要請に対して「内政干渉とは思わない」と述べたという。こういうのが一番いけない。

 第三に、日本が何を妥協してもそれで終わりということはないと考えるべきである。中国は次々問題を作り、要求してくるだろう。中国共産党の反日は、共産党支配に対する国内の反発を反日でそらしているのだ。更に中国は日本がアジアで大国になるのを恐れており、日本を抑える手段として日本に対する要求を次々出すのだ。アジアでは中国一国の覇権を目指しているのであり、そ日本を従わせるのは、中国の覇権をアジアの他の国に見せつける狙いもあるのだ。

 日本が断固とした態度を示せば中国は引くだろう。中国は日本の経済進出を決定的に必要としている。中国が経済成長を続けられるのは、外国資本の流入によってである。このような状態は経済として極めて危険だが、今の中国は外国資本に頼るしかない。日本からの資本、技術、材料・部品の導入がなければ中国は成り立たない。日本との経済関係を強めるのは、今の中国経済にとっては至上命題である。

 だから呉儀副首相は、経済界との会合では、「対外開放政策は重要で今後も堅持する。外国資本の導入も積極的に推進する」と訴え、「問題があったら何でも言ってください」と、お世辞たらたらだった(この言葉自体、実は問題がある。中央政府は地方政府をコントロール出来ていない以上、副首相が自分の言葉の責任をとれるのか大いに疑問だ)。
 勿論中国への輸出は日本の経済成長にも役立っている。だが、そのために日本が政治的に中国に従うべきというのは論外だ。

 本当に日中友好を望むなら日本は中国から恐れられ、敬意を払われるようにしなければならない。日本が弱いから共産党支配のガス抜きの対象を日本にして反日となるのだ。戦争があったためではない。歴史を見れば、戦前の中華民国の帝国主義反対が欧米から離れ日本一国に絞られたのは、日本外交の拙劣もあるが、その一つは、幣原外交に象徴される日本外交によって日本が弱いと見られたことにもあるのだ。


虎ノ門戦略研究所理事長   関 肇

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