

■虎ノ門戦略研究所
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■■■政治優先の原則と軍事(その2)■■■
H16.12.30
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2 専守防衛と軍事
次に、ミサイル防衛は発射直後海上待ち構えたイージス艦で迎撃し、打ちもらしたミサイルは地上に配備されたパトリオット・パック3で打ち落とそうというものだ。艦艇でも地上ミサイルでもどんな部隊でも戦闘準備が調うまでに時間が必要だ。四六時中待機するとすれば大変な数の部隊が必要だ。米軍の情報をあてにし、しかも、発射されてから着弾するまで10分とすると現実に防衛が可能だろうか。それが、先制攻撃は許されるのかという問題だ。ニューヨークの貿易センタービルの破壊以来、米国はテロに対する先制攻撃を辞さないと言っている。テロは奇襲に依存しており、迎え撃つことが難しいからだ。
わが国ではこれには反対が多いだろう。しかし世界の国際法学者には、核兵器攻撃に対しては、先に攻撃されては全てが破壊され、反撃さえ出来なくなるかもしれないから、先制攻撃も自衛権の範囲内だとする学説もある。何時先制攻撃をするかは、軍事サイドからの情報は必要としても、国際関係全般の判断のなかで行う正に政治の問題だ。軍事的必要だけに任せておくことは出来ない。
政治優先を主張するなら、軍事との関係で政治に何が求められるのかをはっきりさせるべきである。特に国際関係では、社会関係があって法律があるのであって、法律があって社会関係が決まるのではないことを知るべきだ。
更に専守防衛の議論では、敵の基地攻撃は出来ないことになっている。約200基配備されているノドンの1基が発射されたら、残るノドンに対する攻撃は専守防衛上出来ないのか。現在の自衛隊には北朝鮮を攻撃する武器はない。勿論ノドンを攻撃する武器もない。
しかし攻撃が可能ということなら、攻撃用の武器の開発は今の日本で出来ないことはない。その場合、約200基を一つ一つ潰すのは困難だし、シェルターに入っているものもあるだろう。専守防衛でも攻撃が可能とすれば、電子的にミサイルの発射を不可能とするような技術の開発も可能かもしれない。
北朝鮮や中国に対して、核は別だが通常兵器の分野でわが国は独力で対応できるようになる能力は持っている。経済力、技術力いずれもある。無いのは毅然たる心だけだ。基本的に米国依存であればよいとする感覚は,植民地人のものだ。
平和は大切だ。しかし平和とは、自らの平和を自ら守るという前提があって初めて守ることが出来るのだ。安全保障について国際的強調が重要になって来ていても、その原則、特に心における原則は変わらない。
次期の防衛力整備計画では、公明党の反対により、長射程ミサイルの誘導装置の開発は見送られたという。専守防衛ということだろう。しかし専守防衛ということは、国際関係について日本は自ら先に軍事力を行使しないとする政治上の態度に止めおくべきであって、軍事の内容に踏込むのは危険ではないか。
このようなことも政治が先立って考えるべき問題であろう。問題が発生してから対応するというのでは、一般行政で官僚主導といわれることと同じである。
(今後折にふれ、政治と軍事の関係についてコメントします。)
虎ノ門戦略研究所理事長 関 はじめ
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