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■■■ブッシュ再選と日本■■■ H16.11.30
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米大統領選でブッシュ氏が再選された。日本にとってブッシュかケリーか、どちらが好ましかったのだろうか。私はブッシュ再選でほっとしている。マスコミには、「民主党内には、ケリーが勝てば米国の対イラク政策も変わり、イラク戦争を支持した小泉政権にも打撃となるだろうとの期待感があったのは事実」 との記事もあった。国際政治における両者の違いは、ブッシュは米国の力を背景とする一国主義だが、ケリーは国際協調を目指していると言われている。 しかし、イラクの混乱がブッシュの見通しの誤りに始まるにせよ、現状では、ケリーが仮に大統領になったとしても、このまま米軍を撤退させることはできない。どちらにせよ、米軍を増派せざるを得なくなるのではなかろうか。イラクはフセイン統治の頃とは状況が全く変わってしまっている。アルカーイダ的原理主義のテロには、戦って勝利するか、敗北し撤退するかの選択しかない。撤退すれば国内の騒乱だけではなく、穏健派のアラブ諸国に対する攻撃をはじめ中東の混乱があるだけだ。国際協調といっても今の米国がどこまで仏、独の主張に応ずるか、その必要があるかは疑問だ。ケリーの場合もどこまで協調しただろうか。
では日米関係はどうだろうか。今の日本の安全保障において、確固として日本サイドに立ってくれるのは、日本を大切な同盟国と位置付けているブッシュ共和党政権だ。アーミテージ副長官の存在も大きい。 例えば、中国との領海問題についても米国の対応が日本の明暗を分けることになる。東支那海の日本の排他的経済水域(EEZ)の境界線上で中国が進める春暁ガス田は、わが国の領海内からガスを吸いだしてしまうとして問題とされてきた。わが国政府もようやく重い腰をあげ試掘をする姿勢を示し始めた。中国は資源の存在が明らかになって以来、尖閣列島についても中国の領土と主張し、調査船を派遣している。最近では、沖ノ鳥島も日本の領土ではないと主張し始めている。中国は東支那海を自国の領海として支配しようとしているように見える。これは資源の支配を目的としていると共に、軍事的には、米第7艦隊が東シナ海に入れないよう潜水艦による支配を狙っているのかもしれない。 このような問題は、外交的な「お話し合い」をいくら進めても解決はしない。春暁ガス田に対してわが国が試掘を進めようとしたとき、中国が軍事的に妨害したらどうするのか。政府は海上自衛隊で対抗する決意はあるのか。中国海軍に対して現在の日本は対抗できる力を持っているとしても、中国は核武装国である。どこまで対抗できるのか。しかし、米国が日本を守るという意思を示せば、中国は軍事的妨害が出来ないかもしれない。米国の意思はそれほど大きい。 民主党政権はクリントン大統領時代、同盟国日本より中国を大切にするところがあった。米国がそうならどうなるのか。後に訂正されたが、尖閣列島に安保条約は適用されないと発言した米国大使もいた。米国がこのような態度を取れば、中国は尖閣列島に軍艦を派遣して来るかもしれない。いくら日本がODAを供与しても、中国の意思決定には何ら影響を及ばさないだろう。北朝鮮との外交もそうだ。わが国政府は経済的対抗措置を取るよう準備を始めたというが、今日までの長々とした交渉だけの交渉は、どれだけの効果を生んできたのか。更に日本にとっても重要課題の核問題は、米国しか相手にしていない。交渉において米国が日本の利益にどれだけ配慮してくれるかは重大な問題だ。
日本は軍事外交について、心理的に植民地状態から脱していない。米国との関係にしても、単に基地の提供だけではなく、役割を分担した同盟国とならなければ、わが国は独自の立場の主張もできないだろう。そのような力を日本が持たずに米国従属を問題にしても始まらない。米国には、軍事外交において日本が植民地的であることを望ましいと考える勢力もあるし、伝統的に親中国の勢力もある。特に民主党にその傾向が強い。 他方、共和党はどうだろうか。数年前になるがアーミテージ・レポートは日本の独自性を認めるものだった。日本が国際政治における独自の将来構想を作り、推進する場合、協力的であるのは共和党政権だろう。共和党が再度政権をとったこれからの4年間、日本がどうするかは日本の正念場だ。そのような日本の構想があって初めて、日本は、強者米国と一方的従属ではない同盟関係を作ることができるし、日本の若者も世界と未来について夢を持てるのだ。
元防衛医科大学校副校長 関 はじめ
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