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虎ノ門戦略研究所
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■■軍事および国際関係の数量的分析(1)■

平成16年03月25日
 
  今、虎ノ門戦略研究所では面白い試みが始まっています。戦略研究所ですから当然軍事問題が中心ですが、それをアプローチするのにひとつの物差しではなく、いろいろな事柄をいっぺんに計ろうということです。

 それでどんな事が分かるかといえば、各国の軍備の特徴とかそれにまつわる隠された性質、これを因子とよんでいますが、それを掘り起こす作業です。特徴とは平均からの隔たりと考えてもよいかと思います。したがって平均に近い集団は何の特徴もない事になるから、他より何か抜きん出たことがあれば分析の対象に取り上げられるのです。

 しかし、中には何をやっても優れている人がいますね(反対に何をやってもサエない人もいますが)。これは別格ですが、これも大いに特徴がある事になります。 こんなことが何で軍事問題のアプローチになるのかといえば、例えば、ある国が軍備を整えようとすれば政策立案者はいろいろなことを考えます。四面海に囲まれていれば、海軍力を強くしたいと思うだろうし、陸続きの隣国が自分より強い陸軍を有すれば、何とか対抗手段を持とうとして強力な戦車を持ち、徴兵制をひいていざとなれば大動員をかけられるようにするでしょう。その他、核を持つことだって考えるかもしれません。

 そんなことで他と違った事をやれば、みんな特徴として出てきます。また表面上は分からないが、性格的に考え方や方向が似通った国であれば、たぶん同じ行動をとることになるのではないかと考えてもおかしくはありません。世界各国がこのように何らかの事情を持って軍備を整えているわけで、ただ漫然と軍事力を持っている国なんかないはずです。

 このようにいろいろな事柄が絡み合っていることを、ある一側面だけ取り上げて判断したらとんでもない間違いを起こしかねません。
 それではこんな複雑な関係の中から特徴や因子を探し出すにはどうすればいいのでしょう。このための手法が「多変量解析」です。次回は、この「多変量解析」とは何か。その手法を用いて何ができるのかを考えます。

虎ノ門戦略研究所フェロー 井内 宏

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