

■虎ノ門戦略研究所
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■■■■拉致問題再考(1)■■■
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平成15年10月6日
川口外相が再任され、新聞のインタビューで、拉致問題が今の時点で一番の課題といい、「北朝鮮と話をして答えをもらい、答えを見てまた質問する」と言っている。これで交渉といえるのだろうか。交渉は、相反する意思の間の闘争である。国際間交渉では情などは通用しないのだから、話し合いだけでことが済むというのは間違っている。こちらの主張を通すためには「梃子」ともいうべきものがいる。拉致の交渉でそれをまったく使おうとしないのはなぜなのか。
一方、政府は、北が核実験を実施した場合、段階的に制裁措置を発動する方針を固めたという。人の交流、送金の停止、国連に非難決議、経済制裁決議を求めるという。北が核実験を実施したら、米国はもちろん強硬な態度をとるだろう。日本政府は、それに乗じて一緒に行動するつもりのようだ。
拉致は我が国だけの問題である。韓国にも拉致問題はあるが、共闘は組めそうにない
。ロシア、中国は、基本的に関心はない。米国は我が国に同情的であるが、米国の基本的利害にかかわる問題ではない。
米、中、ロにとって当面の唯一の関心事は、北の核ミサイルである。核を持たない日本にとって、この問題は、核保有国である他の国々よりも、より重大だ。力のない日本がこれらの国々と共同歩調をとることは、大切なことだ。また、拉致問題を6カ国協議で取り上げるのは、方法としては悪くない。
しかし、拉致問題は、本質的に我が国固有の主権侵害の問題であり、独自に解決の道を探るべきなのに、その努力が見られない。北の核実験再開に対して段階的に制裁措置をとるというなら、どうして同じことを拉致問題に対してとれないのか。核保有に対する対抗措置は、米国を始めとする諸国が十分行うことができるのだから、我が国は我が国独自の問題をまず解決しようとしてもおかしくはない。
現時点で憂慮すべきはノドンの発射だが、金正日は、自滅を覚悟しない限り発射できないだろう(それも我が国の力によってではなく、米国次第だが)。特に核問題で米国との間が緊張関係にある今日、北の選択の自由は狭められている。6カ国協議があっても、我が国は独自の解決を試みるべきだ。
北の兵士の規律が乱れているとか、ロシアに送り出されている労働者の統制が緩んでいるといった報道がある。我が国からの物資の輸入が大きな頼りに違いない。北に圧力をかける絶好の時期ではないか。
なお、拉致問題の解決は、日本からの援助などの取引の対象とはならない。取引に入る窓口であり、むしろ責任者の処罰と賠償の問題だということを明確にすべきである。
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