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■■防衛計画の大綱を直せ
*この原稿は、「朝雲」(9月18日号)に掲載されたものの原文です


平成15年9月22日

 防衛庁はミサイル防衛システムを導入するため、来年度概算要求に約1400億円を計上したと報道された。2007年度をめどに配備を開始するためという。ミサイル防衛は、イージス艦によるSM3とパトリオットPAC3の組み合わせによるとされ、SM3はまだ完成していない。

現時点で日本最大の脅威はノドンだろう。ノドン発射の抑止は、米国に頼るという議論もある。北朝鮮が暴発するのは、金体制が維持できないと金正日が判断する時だろう。他方、米国がどうしても認め難いのは、射程距離が米国に達する核ミサイルを北が開発することだろう。その可能性が高くなると、例え日本や韓国が反対しても、米国は核施設を限定的に攻撃するかもしれない。米第二師団が南部に移動すれば、米国の限定攻撃の可能性は一層高くなるだろう。

攻撃が限定的であっても、金は政権の維持が不可能と考えて暴発するかもしれない。そうすると我が国が抑止を期待する米国によって北が暴発し、200基といわれるノドンの一斉発射があることになる。

 危機の発生は、2007年以降なのか。それは到底考えられない。今年内かもしれない。危機に対処するというのは、可能性に対してであり、必ずそれが起こるということではない。可能性があるとすれば、現存するパック3だけでも、その能力が限られていても、出来るだけ早期に配備を考えるべきではないのか。政府は、りそな銀行に二兆円の投入を決めた。りそな銀行の破綻とノドン発射の可能性とどちらが日本にとって危険なのだろうか。政治の問題であるが、補正を組んでもパック3の配備とレーダー、指揮通信システムの改修を、早期かつ大規模に考えるべきではなかろうか。

 事務的にこういう考えを阻んでいるのが、私には、防衛計画の大綱ではないかと思う。現大綱は前大綱を踏襲し、基盤的防衛力構想によっている。しかし本質的に防衛力は、脅威を考えなければ成り立たない。前大綱は当時の国内政治上の妥協の産物であった。今日その考え方を基本的に改め、脅威対抗の考えに修正すべきではなかろうか。

 更に大綱は、部隊、主要装備の数を別表で規定し、中期防衛力整備計画で、所要経費と装備の整備規模が決められている。計画に従って整々と装備の更新を図るということであろうが、一度閣議決定されたものを変更することは、財政当局との関係からしても困難だ。

 脅威は、我が国の整備計画にあわせて発生するものではない。これは政治の問題となるが、相手を出し抜こうとする脅威に対して、情報収集をし、その結果に基づく防衛計画の変更が柔軟に行える制度の策定が必要ではなかろうか。

 ノドンに対抗する計画が、国際情勢の変化に対応するにはあまりに非現実的に思えて、OBとして一言した次第。

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