

■虎ノ門戦略研究所
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■■■有事3法の成立(1)■■■
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平成15年6月10日
ようやく有事3法が成立した。有事3法のポイントは、有事に自衛隊が活動する上で、現在は各省庁が所管している法律の特例措置を決めたことであろう。有事における政府の対応なども決めているが、今までの法律でも防衛出動は可能だったのだから。
例えば、日本が侵略され敵戦車が進撃してくるとしよう。それを迎え撃つために自衛隊車両が道路を走る場合、今までは自衛隊車両は赤信号で止まらなければなかった。敵は征服という目的達成のため、殺傷破壊、何でもありでやってくる。平和なときに安定した国民生活を維持するための制約が、有事にも自衛隊にかせられているというのは、なんとしてもおかしい。しかしそんな状態がずっと続いていたのだ。そして、国会で審議するまでに政治情勢が至らなかったのである。
大半の国民は、そんなことになっているとは知らなかったのだろう。それを知りながら反対するのは、日本が侵略され、他国に支配されたほうがよいと思っている人たちだろう。
更に、これまで政府部内においてさえ、有事3法が検討されていく過程には政治の強いリーダーシップが働いた。防衛庁がいくら必要性を主張しても、官庁間の話し合いだけでは、到底、進展はなかったろう。各官庁は平和時しか考えていないし、強固な官僚主義は、自らの権限が制約を受けるのを徹底して嫌う。そうした既得権益を強く主張するのが優秀な官僚なのだ。
有事法制の基本部分は、自衛隊法の成立時につくられていなければならなかった。前防衛庁長官が韓国に行って有事法制の話をしたら、「それがなくてよく防衛ができますね」と言われたそうだ。
自衛隊は、昭和28年、当時の自由党、改進党、日本自由党の三党の合意に基づいてつくられることになった。自衛隊法の策定にかかわった元内務官僚の加藤陽三氏の回顧録には、当時の各省庁が防衛に対する認識が薄く、熱意がないことへの慨嘆の言葉がある。当時も現在も官庁間の関係は変わらなかったようだ。このような問題に対して、内務官僚は政治といかなる関係にあったのだろうか。
有事3法には、国民保護法案や電波の利用、港湾や飛行場の使用など、まだ残された重要な課題がある。私はここで、有事3法の詳細や残された課題について論ずる気はない。が、根本的問題があるので次回はその点に言及したい。
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