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■北朝鮮船舶に現行法以上の対策ができないのか■


平成15年6月6日

 万景峰号の入港通告に応じて、わが国はようやく現行法を総動員して監視などを行うことになった。年間1,400隻にのぼる他の北朝鮮船舶にも、同様の措置を行うことが検討されているという。遅きに失した感はあるが、懈怠なくやってもらいたい。

 ところで、わが国は法治国家だから、各省の権限は法で定められている。国内で問題が生じたときは、裁判とその結果の強制という救済措置がある。しかし、国際間には国内法のような法は存在しない。慣習か相互(個別または多国間)の約束である条約があるだけだ。

 そして条約違反も救済は当事国自身によるのが原則である。例えば、竹島は韓国に不法占拠され、韓国軍が駐留しているが、その状態を回復するには、現状では、わが国が自衛隊を出動させ自衛戦争をするほかない。このことは、国連決議違反を重ねるイラクにしびれを切らした米、英らが、戦争で決着をつけたことでもわかるだろう。
 
 外国船舶の入港には慣習国際法と海洋法条約などがあり、海洋法条約によれば、入港を許可する寄航国に認められているのは、その船が安全基準を満たしているかどうかを検査することなどで、最初から入港を拒否することはできない。

 しかしながら、寄航国が条約に従って行動する必要があるのは、国交のある国に対してだけなのではないか。
 わが国は北朝鮮とは国交がない。北朝鮮とわが国の間には国際法上の権利義務の関係がない。

 そもそも、国交があっても、個別問題についてはその問題に関する条約がなければ、権利義務関係は生じない。例えば国交のある国との間でも、犯罪人引き渡し条約がなければ、わが国の犯罪者がその国に逃げた場合、その国は犯罪者をわが国に引き渡さないのが通常である。

 まして国交がない北との間では、わが国が条約に従ってことを行う必要は全くないのではないか。わが国は北の船に対して必要なことは何をしてもよいはずだ。問題となるのは、それに対する北の報復措置だけだが、わが国が恐れるべきことはノドン以外にはない。

 国際的反発を問題にする人もいるかもしれない。しかし、北は、拉致、核、ミサイル、麻薬など次から次へと問題を起こす、異常な犯罪国家であると国際的に認められている。わが国が北を特別扱いしても、それで非難されることはないだろう。むしろ、そんな国を通常の国家と同様に取り扱っているほうが、嘲笑されるだけではなかろうか。

 外交は内政とは違う。北朝鮮船舶の取り締まりは、法律がなくても、閣議決定と国会の同意によって早急に実施の根拠をつくってもよいのではないか。さらに、官庁間で対策を検討すると、各官庁が現在持つ権限の枠内でしか考えない恐れがある。政治がリーダーシップをとって、何をすべきか考える必要があるのではなかろうか。

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