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■北朝鮮考■


平成15年4月24日

 北京で米・中・北鮮の三者会談が始った。北の基本的立場は明確だ。中国は、北の核廃棄は求めるが、北の基本的立場をバック・アップするだろう。軍事、非軍事手段をもつ米国は、どのような要求をするか。ここがポイントだ。
北朝鮮問題の要点を簡略に整理しておきたい。

<北が求めるもの>
 北朝鮮が求めているのは、なによりもまず金正日体制の維持である。そのために必要不可欠なのは経済援助と、米国との不可侵条約というのが、北の基本的な考え方だ。
 イラク戦争で、ブッシュの断固たる決意と米国の圧倒的な軍事力を見せつけられた北は、米国に攻撃されることを心底恐れているはずだ。そのための対抗手段として、北は核弾頭と米国に到達するテポドン2の開発を本気で考えているのではないだろうか。
 これまで北の核開発は、あくまで瀬戸際外交のカードであり、開発計画を中止する見返りに援助を得ようという一種の外交テクニックではないかと考えられてきた。しかし、米国に到達する核兵器存在は、その性能がいかにお粗末でも、米国に対する抑止力となる。それゆえ、北が本気で核開発に取り組んでいる可能性は高い。

<北の強み>
 北は、米国に対して有効な核装備はまだ保有していないとの見方が大勢だ。しかし、約1万門の北の「砲」が一基ごとに花崗岩の岩盤の下深く配備され、南北の停戦ラインから約50キロしか離れていないソウルや米軍第2師団を射程内にしている。これらすべてを先制攻撃で破壊することは難しい。また、たとえイラク軍より旧式な戦車や火砲でも、使う場があればそれなりの打撃力となる。北が韓国を占領することは不可能だが、大規模な被害を与えることは十分可能だ。
 日本に対しては、ノドン約200基が砲と同じような形で配備されていると言われている。これが発射されれば、わが国が大きな被害を受けるのは間違いない。
 韓国や日本が大きな損害を被ることは、同盟国の米国にとっても好ましいものではない。これが北の強みであり、米国に対する抑止力である。しかし、これとても万能のものではない。米国にとっては、万一、北が韓国や日本を攻撃し、両国に被害が出たとしても、最終的に北を制圧すればそれでよしとの判断もあり得るのである。

<米国が求めるもの>
 そこで問題は、米国が北に何を求めるかである。北の核廃棄だけならば、妥協の余地はあるだろう。しかし、ラムズフェルドの発言などをみると、米国は南北の停戦ライン付近の砲やノドンなどの破棄を求める可能性が高い。しかし、その要求を受け入れることは、北にとって「外堀」だけでなく「内堀」まで埋められるようなものである。
 また、通常兵力の縮小は、往々にして保安機構の弱体化につながる。それは金正日体制の崩壊を招く。北にとってとうてい応じられる話ではない。

<中国の立場>
 中国は、北の核保有は中国に対する脅威ともなるから容認できない。しかし、金体制の崩壊による大混乱とその波及は恐れている。

<わが国は?>
 わが国としては、金正日体制が崩壊するのがよいのか、それとも何等かの形で体制の存続を認めるのがよいのか。拉致問題の解決は必要だが、金正日体制が崩壊した場合の政治的、経済的コストまで含めて、冷静に考えておく必要がある。

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