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■北の核開発■


平成15年4月19日

 北朝鮮の核開発疑惑を話し合う多国間協議が、米国、中国、北朝鮮の3カ国で開かれることが決まった。わが国と韓国は北朝鮮の意向で除外された。
 北朝鮮の核開発は、日本の安全保障上、最大の問題の一つだ。しかも日本は韓国と並んで、北が開発断念の見返りに要求する「援助」の主たる担い手である。国の存立にかかわる問題に口を出せないのに、援助だけは求められる。KEDOのときもそうだったが、そのようなことがあってよいのだろうか。
 北朝鮮が求めているのは、金王朝の生き残りである。北朝鮮にとって日本は脅威ではないし、米国との話し合いさえつけば、日本は必ず援助に応じると北は見ている。すっかりみくびられてしまっているのだ。

 拉致被害者の家族会と支援組織が、外務省で政府の取り組みについての説明を受け、改めて北朝鮮への経済制裁を行うよう要請した、との報道があった。
 外務省は、核開発問題で北朝鮮が多国間協議に応じる姿勢を見せ始めたことから、変化の兆しが見えるとして、引き続き対話の努力を続けていく方針を説明したという。
 これに対して家族会側は、「拉致問題でこちらから被害者を返して下さいとお願いするのは筋違いだ。制裁に踏み切るべきだ」と失望をあらわにしたという。

 相反する意思を持つ者の間の交渉で、何のカードもなく、ただ話し合うだけで交渉が進むと考えるのは、いくらなんでも甘すぎる。
 わが国は北朝鮮に対する平和的な対抗手段(すなわち外交カード)をたくさん持っている。
 万景峰号やその他の北朝鮮船舶の日本への入港を禁じることもできるし(国際法上できないというのは、国際法の本質をわきまえない人の議論だ)、北朝鮮に行く在日の人の日本への帰還を禁じる手もある。経済制裁や朝鮮総連に対する規制、朝鮮銀行などへの審査の厳格化なども可能だ。
 日本政府は、なぜこのような手段を背景に交渉しようとしないのか。援助をするから交渉に応じてほしいなどという弱腰では、かえって見くびられるだけだ。そもそも、外務省が言う「北の変化の兆し」は、米国の強硬姿勢に北が屈したからにすぎない。

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