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■フランスという国家■


平成15年2月20日

 シラク大統領は若いころドゴール派のプリンスと呼ばれた。ドゴール将軍は20世紀最大の政治家の一人だが、フランス人の典型と言われている。

「フランスは世界で特別の地位を占めなければならない。西欧の指導的国家となることによって、これを達成しなければならない。アメリカやソ連の衛星国家となってはならない。大陸ヨーロッパ(まず西欧、次いで大西洋からウラルまで)がフランスのよって立つところである」

 この考えに基づいて、ドゴールは小規模にしか可能ではなかったが核武装し、宿敵ドイツとも手を結んだ。NATOからは脱退したが、ソ連が仮想敵であることに変わりはなかった。

 キューバ危機のときに、最初にケネディに電話をして絶対的支持を表明したのはドゴールである。常に独自の立場に立ち、ほかの大国の世界支配を防ぐことで、指導的国家となろうとしてきた。

 イラク問題におけるフランスの対応の基本はここにある。今日、米国による世界の一国支配が現実のものとなりつつある。これを多極主義の枠のはめようとするのが、国連尊重主義の背景である。日本のよう観念的に国連が大切といっているわけではない。

 むろん米国が勝利した後の石油利権の問題もある。第二次世界大戦までは、現在のアラブ諸国の大半は英国とフランスが分割支配していた。また、フランス国内にはかつての植民地アルジェリアなどから来たイスラム系、アラブ系移民が多い。彼等の動向やイスラムテロの可能性など多くの問題への配慮もあろう。

 フランスは最後は米国に協力するだろう。しかし、米国が武力行使の準備完了に至るまでまだ時間がある現時点では、米国に異を唱えるほかの国々と連携して米国への影響力をアピールすることがフランスの国益にかなう。
 フランスという国は実にしたたかである。 

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