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■日本は「お人よしのシャイロック」にすぎないのか?(後編)■


平成15年2月13日

 ご存じのとおり、日本政府は、憲法第9条の解釈として「集団的自衛権は保有するが行使は認められていない」という立場を取ってきた。自衛隊が軍事活動できるのは、個別的自衛権を行使す
る場合のみに限られている。「自衛」以外の武力行使はできないのだ。

 PKOに自衛隊を派遣する場合も、テロ特措法により国連決議に基づいて自衛隊を海外に派遣する場合も、軍事物資の補給はできない。さらに、戦闘が行われている場所では、戦闘に直接は関係のない物資の補給活動さえできない。法制局が、武力行使をしている国で補給活動等を行うことは戦闘行為に相当するという「武力行使一体化論」を掲げているからだ。

 そこで、現在、日本政府では、軍事活動に参加しない代わりに、イラク難民の救援に金を出すなど、武力を伴わない貢献が検討されているようだ。
 しかし、国際的な枠組みが大きく変化する中、金を出すだけで人も口も出さない「お人よしのシャイロック」のような態度(ヨーロッパでは「お人よし」と「シャイロック」は矛盾概念だろうが)を続けることで、日本は本当に生き残ることができるのだろうか。

 米国がイラクのフセイン政権打倒に着手しようとしている今、日本政府は、従来の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めるかどうか、決断すべき時をむかえている。
 集団的自衛権の行使が認められれば、日本は、自衛権の行使としてイラク攻撃を行う米国を軍事的に援助することができる。その場合、様々なかたちでの自衛隊の派遣が可能となる。
 すでに「保有」している集団的自衛権の「行使」を認めることは、日本国憲法下で自衛隊を作ったときの政府の合憲解釈よりも、無理のない法律解釈だろう。

 さらに言えば、個別的自衛権の範囲でも、自衛隊の多国籍軍への参加は不可能ではないということも指摘しておきたい。イラク周辺では、日本の船舶が運航している。それを守るために、少なくとも護衛艦や掃海艇あるいは航空機を派遣することは、自衛権の解釈上可能ではないか。
 自衛権の解釈は色々あり、各国がその都度、必要と思われる解釈を採用してきた。アフガンで米国の戦闘支援に参加した国々の多くが、自衛権の行使として国連に届けている。
 歴史を振り返ってみても自衛権の行使について、国家は様々な説明を行ってきた。要は、法律があって国家があるのではなく、国家があって法律があるのだ。つまり、自衛隊をどう使うかは、政府の決断の問題なのである。

 イラク問題で日本が問われているのは、実際にどの程度の戦力を提供できるかではなく、日本が米国とともに戦う意思を持っているかどうかなのである。

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