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■日本は「お人よしのシャイロック」にすぎないのか?(前編)■


平成15年2月12日

 イラクで戦争が起こったら日本は何をすべきか。まず前提をはっきりさせておこう。

1.今日、世界のどの国の軍隊も米軍には太刀打ちできない。イラク軍を撃破するのに、米軍は他国の軍隊の協力を必要としない。米国が、他国の協力を求め、国連を重視する態度を見せているのは、政治的理由によるものだ。米国が少しでも自軍の損耗を避けたいと考えるのは当然だが、むしろ、世界の唯一のリーダーとして戦争後の世界コントロールを円滑にするためのポーズと見るべきだ。目前の戦争だけを考えていては、国際政治はわからない。

2.これまで、米国のイラク攻撃は遠い国の出来事で、日本人は第三者的立場から批評をしていればよいという感じだったかもしれない。しかしいまや状況は変わった。北朝鮮の軍事的脅威があからさまになり、自衛隊では対処できないことが明白になったからだ(もっとも、北朝鮮の軍事的脅威は今に始まったことではないのだが......)。米国は日本が望むかたちで日本を守ってくれるのか。それは、米国が同盟国としての日本をどれだけ大切に思うかで決まる。

 そこで重要になるのは、日本のイラク問題への対応だ。湾岸戦争のときは、130億ドルの金を出しながら日本の貢献は無視され、クウェートの感謝広告にさえ出してもらえなかった。また、海上自衛隊はアフガン支援のためインド洋で米軍に油の補給等を行っているが、この貢献は米中央軍の最初の発表では忘れられ無視された。
 ちなみに、クウェートの感謝広告には、ニジェール(480名)、バングラデシュ(一個旅団 2200名)、パキスタン(一個旅団、フリゲート艦)、アフガニスタン(500名)、ニュージーランド(C−130 2機)などが載った。いずれもささやかな貢献だが、日本の130億ドル拠出には、それ以下の評価しか与えられなかったのである。

 では、なぜ日本は感謝されなかったのか。
 例えば戦国時代、百姓であろうとも、侍と一緒に刀を抜いて戦えば、侍はその百姓を戦士の仲間と認めるだろう。後方で握り飯を作っている者に対しても、矢玉の飛んでくる所で飯を炊く者に対しては、戦士とは認めなくても、その役割に感謝するだろう。ところが、「米や水は運びますが矢を引くことはできません。矢玉が飛んできそうになったら逃げ出します」となるとどうなるか。その「貢献」を認識してくれるのは、せいぜい全体を見ている長だけであって、侍たちも、守ってもらっている村人も、彼らを仲間と認めるはずがない。いくら「我々には特別な内部事情があるので」と説明してもムダだろう。
 金を出しただけなのに一緒に戦ったと勘違いするのは、平和ぼけをした者か「お人よしのシャイロック」のような者だけだ。
(後編に続く)

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