

■虎ノ門戦略研究所
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■■■脱北者と日本人保護■■■
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平成15年1月31日
在日朝鮮人の夫と一緒に北朝鮮に渡り、昨年、中国に脱出した東京都出身の日本人妻が、1月29日中国から日本側に引き渡され、44年ぶりに帰国した。
日本政府は、これまでに帰国した脱北者の数を数十人であるとしているが、いずれも中国への不法入国であることなどから、表に出さずに帰国を支援してきた。表に出る形での帰国は今回が初めてだ。
しかし、こうした日本政府の対応には問題があるのではないだろうか。国民の保護は、国家の国際的権利であるとともに義務だ。政府は、国民の保護という観点から本気で中国と交渉しているのだろうか。
日本政府から見ると、脱北者は、
@日本国籍を持つ者
A元在日朝鮮人
Bそれ以外の者
に大別できる。
中国は、北朝鮮と脱北者は北に送還するという秘密協定をむすんでいるという。そのため中国は彼らを「難民」と認めず、「不法入国者」と扱うこととしており、拘束すれば北朝
鮮に送還するのが原則とされている。ただ、これまでは「人道的配慮で日本に送り返してくれたことがある」(外務省幹部)という。日本への「日本人脱北者」の引き渡しは北朝鮮に対する裏切り行為となるため、そうした交渉は極秘裏に進められてきたわけだ。
国民は、法に従い国家に税金を払っている。国民の国家に対する義務に対し、国家の国民に対する義務も厳然として存在する。その際たるものが、対外的に国民の生命・財産を保護し、領土を保全す
る防衛義務だ。その手段は軍事力の行使だけではない。
日本政府は中国の「好意」にすべてを委ねようというのだろうか。それで国家としての基本的な義務を果たすべく努めたといえるのだろうか。
日本人脱北者の保護は、単なる人道上の見地からだけではなく、日本政府の「外交的保護権の行使」として行われるべきだと思う。脱北者たちは、北朝鮮で犯罪を犯して逃げ出したわけではない。北朝鮮国内で、命の自己保全も含めた法の保護を受けることができなかった人たちだ。もちろん彼らは中国に犯罪目的で入ったわけでもない。中国が北朝鮮に日本人脱北者を送還するなら、断固として抗議
し阻止することは、日本政府の当然の権利であり、また義務である。中国と北朝鮮の秘密協定などは、日本の関知したところではない。
日本国籍を持たない脱北者についても、人道上の問題がある。特に日本の永住権を持つ在日朝鮮人脱北者をどう扱うかは重要な課題だ。
日本は毎年、中国に巨額のODAを供与している。日本の本来のODA原則に反している疑いさえある。にもかかわらず国民を保護するというもっとも基本的な要求を中国側にできないとすれば、なんのために援助外交を続けているのかわからない。脱北者問題では、日本の外交の基本姿勢が問われている。
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